とびひ①
とびひとは民間で言われる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症です。ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌(溶レン菌と略します)などが原因菌です。
接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がるから、たとえて“とびひ”と言います。
あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染をしてとびひになります。また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます。
〇原因〇
とびひは、虫さされやあせもを掻いたり、小さなケガでできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。
とびひの原因となる細菌は、主に次の2つです。
黄色ブドウ球菌
健康な人の皮膚の表面や鼻の中にいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込み、増殖するときに出す毒素がとびひ発症の原因になります。とびひの多くは、この細菌が原因です。
化膿レンサ球菌
健康な人の鼻の中やのどにいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込むと、とびひ発症の原因になります。
※A群β溶血性レンサ球菌(溶レン菌)とも呼ばれます