水いぼについて①
梅雨が明けたら夏本番!お子さまをもつご家庭ではプール開きなども話題にあがるころだと思います。
保育園や幼稚園によっては水いぼがあるとプールに入れない施設も多いでしょう。
今週は水いぼについてご説明します。
〇水いぼとは〇
正式名称は「伝染性軟属腫」といいます。伝染性軟属腫ウイルスによる小さなイボで、免疫力の弱い幼児~小学校低学年の子どもに多く発症します。
水いぼはどこにでもでき、顔や体、手足まで広がってきます。自然治癒には半年~2年ほどかかる場合もあります。痛み・かゆみといった自覚症状は少ないですが、患部を掻きこわすと手指にウイルスが付着し、その手指が触れたほかの部位へと感染が広がっていきます。
アトピー性皮膚炎・乾燥肌・アレルギー体質のお子さまは、水いぼになりやすい傾向があります。
いったん感染すると湿疹を掻くのと一緒に掻いてしまって、全身に無数に増えて広がりやすくなります。また、ステロイドを塗ると水いぼが増加しますので、アトピー性皮膚炎の治療が適切にできなくなってしまうというデメリットもあります。(日本小児皮膚科学会より抜粋)
次回は感染経路やプールに入ることの可否についてご説明します。
2018年8月27日
魚の目とイボの違いについて
ある日ふと気付くと足の裏にポツっとしたできものが出現していた経験はありますか?(もしかして魚の目かもしれない…)と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、似たような症状の疣贅(イボ)の可能性もあります。今回は魚の目とイボの違いについてご説明いたします。
・魚の目とは
外部からの慢性的な物理的圧迫によって、足の裏や指の角質が一部分で厚くなり、皮膚内部に向かって根を張るように固い芯を形成(過角化)したものです。足底に生じやすく、靴が足に合わないことで生じる場合が多いと言われています。肥厚した角質の中心が芯のように真皮へ深く侵入している核のため、魚の目のような外観をしていることからそう呼ばれています。
・疣贅(イボ)とは
ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)感染によるもので、ウィルス型別に症状が異なります。外部からの刺激で出来る魚の目とは異なり、削ると出血しやすいため簡単に魚の目との区別ができますが、古い疣贅では角質が厚くなって区別が難しくなります。医師がダーモスコピーという器具で目視をして「点状出血」をしていたら疣贅、していなかったら魚の目です。
●治療の仕方の違い
魚の目→芯を取り除くために、専用の器具で角質を削ります。基本的には1ヵ月の1度の処置になります。
疣贅→液体窒素で患部を瞬間的に凍らせることで、ウィルスに感染している細胞を破壊します。肥厚している場合、液体窒素での治療効果を高めるために患部を専用の器具で削る場合もあります。治療のペースは1週間~2週間に1度の処置になります。
どちらも初め小さな症状でも、放っておくと悪化してしまう可能性があるので早めにご来院ください。
とびひ④
〇プールへの参加〇
日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会が共同で統一見解を出しています。
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止するようにしましょう。
〇予防〇
手洗いをし、爪を短く切り、かきむしって皮膚を傷つけたりしないようにさせることが大切です。皮膚のバリア機能が低下していると、細菌に感染しやすく、とびひにかかりやすい状態にあります。
入浴をし皮膚を清潔に保ち、しっかり保湿し、日ごろからスキンケアを心がけましょう。
小児は鼻の下から発症する膿痂疹が多いです。鼻の中には、とびひの原因となる細菌がたくさんいます。鼻の中をいじった手で体を掻くととびひにかかることがあるので注意しましょう。
とびひ③
〇治療方法〇
ごく軽い場合は抗菌薬の外用で済みますが、必要に応じて内服を併用します。
また炎症を抑える、患部を保護する目的で亜鉛華軟膏が処方されたり、
痒みが強いので、抗ヒスタミン薬の内服をし、かきむしらない様に、病変の広がるのを押さえてあげることもあります。
〇日常生活で気を付けること〇
患部をかいたりいじったりしない
とびひは、患部を触った手を介して症状が体のあちこちに広がることがあります。
患部に触らないように注意し、引っ掻かないよう爪を短めに切るようにしましょう。
清潔を保つ
原因となる細菌を減らすため、入浴して皮膚を清潔に保つことが大切です。
患部はこすらず、石けんをよく泡立て、泡でていねいに洗い、その後はシャワーでよく洗い流しましょう。
発熱などの全身症状がない限り、入浴し、泡だてたせっけんでやさしく丁寧に洗い流します。入浴後は、排液などが周囲に接触しないように、患部に軟膏を塗り、ガーゼなどの保護処置が必要です。
タオルや衣服は共有しない
タオルや衣類を介してとびひがうつることもあります。共用しないようにしましょう。
とびひ②
〇どんな症状?〇
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿(うみ)をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。かゆみがあり、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると、症状が体のあちこちに広がってしまいます。
とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。
痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
皮膚の一部に膿をもった水ぶくれができ、厚いかさぶたになります。炎症が強く、リンパ節がはれたり、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。
主に化膿レンサ球菌が原因となりますが、黄色ブドウ球菌も同時に感染していることが多いです。
水疱性膿痂疹 | 痂皮性膿痂疹 | |
原因細菌 | 黄色ブドウ球菌 | 化膿レンサ球菌 |
症状 | 水ぶくれ、かゆみなど | かさぶた、リンパ節の腫れ、発熱、のどの痛みなど |
できやすいところ | 目・鼻・口のまわりから症状が出始めることが多く、やがて体のあちこちに広がる | 全身にできる |
かかりやすい季節 | 夏(暖房の普及で、冬でもみられる) | 季節に関係なし |
かかりやすい年齢 | 7歳未満の乳幼児 | 年齢に関係なし |
とびひ①
とびひとは民間で言われる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症です。ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌(溶レン菌と略します)などが原因菌です。
接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がるから、たとえて“とびひ”と言います。
あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染をしてとびひになります。また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます。
〇原因〇
とびひは、虫さされやあせもを掻いたり、小さなケガでできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。
とびひの原因となる細菌は、主に次の2つです。
黄色ブドウ球菌
健康な人の皮膚の表面や鼻の中にいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込み、増殖するときに出す毒素がとびひ発症の原因になります。とびひの多くは、この細菌が原因です。
化膿レンサ球菌
健康な人の鼻の中やのどにいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込むと、とびひ発症の原因になります。
※A群β溶血性レンサ球菌(溶レン菌)とも呼ばれます
ニキビ跡について
ニキビがやっと治ったと思ったら、ボコボコしたニキビ跡が残ってしまった。なんて経験はありませんか??
〇なぜニキビ跡ができるのか〇
赤ニキビなど、強い炎症がいきると皮膚の深くまでダメージを負います。皮膚の深く(真皮層)は炎症がおきると繊維化という現象がおき、周囲がしこりのような状態になります。また、炎症によって皮膚の真皮層が破壊されるとクレーター状のニキビ跡ができることもあります。
ニキビ跡を残さない為には、ニキビを軽症のうちに治すことが何よりも大切です。できてしまったらセルフケアで改善させることは基本的に難しいです。
〇自宅でできるケア〇
フルーツ酸(AHA)系っやサリチル酸(BHA)系の酸性のピーリング成分を含む化粧水や洗顔は古い角層を取り除き、ターンオーバーを促進させるため、赤みや浅いクレーターのニキビ跡の改善が期待できます。
当院ではサリチル酸マクロゴールピーリングの施術やスキンピールバーというAHAやBHAの配合された石鹸をご用意しています。ご興味のある方はスタッフまでお声掛けください(^^♪
子どもの皮膚トラブル
子どもは大人に比べてまだ皮膚が弱い状態で、肌トラブルはつきものです。特に「湿疹」で悩まされている方が多いです。
〇子どもの湿疹の症状〇
湿疹にはカサカサしたもの、ジュクジュクしたもの、ブツブツしたものなどがあります。かゆがっている、皮膚が赤くなっている場合も湿疹である可能性が高いです。
〇子どもが湿疹になってしまったら〇
とにかく「掻かないこと」が重要と言われています。掻くことでかゆみを一時的に紛らわせることができますが、より一層症状が悪化してしまう、悪循環に陥る場合があります。子どもの場合、「掻いてはダメ」と言っても、できないことが多いと思います。そのため“爪を短く切ってあげる””皮膚を刺激するような素材を使用した服を着せない””湯船にはつからず、ぬるめのシャワーで済ませる”など、大人ができることをやってあげましょう。
〇子どもの湿疹の予防〇
日々のスキンケアで予防することができると言われています。肌を清潔に保ち、保湿をすることで肌のバリア機能を高めることができます。汗をかいたらこまめに拭いてあげたり、保湿剤を塗る習慣を作ったりして、湿疹ができにくい状態を保ちましょう。
子どもの湿疹が気になるとき、小児科と皮膚科、どちらを受診するべきか悩むことがあるかもしれませんが、当院は皮膚の疾患であれば赤ちゃんでも診察することができます。ご不安なことがあればいつでもご相談ください(*^^*)
2018年8月24日
皮膚科でのニキビ治療
年末年始のお休みが明けて、学校やお仕事で忙しくされている方も多いのではないでしょうか。睡眠不足やストレスなど様々な原因で現れるのがニキビです。ニキビは重症・軽症に関わらず、早く治すことが大切です。
〇ニキビ治療に使われるお薬〇
毛穴のつまりからニキビになりますので、毛穴をつまりにくくする外用薬や、炎症が起きている場合は原因菌を殺菌する抗菌作用の含まれた外用薬や内服薬を使用します。また、皮脂分泌を調整してくれるビタミンB剤を併用する場合もあります。
〇ニキビに適応される処置〇
毛穴の中につまっている角質や皮脂などを取り除く処置があります。「面皰圧出法」という処置はニキビの先端に針で小さな穴をあけ、専用の器具で中身を押し出します。それにより、通常よりも早くニキビを治すことができます。自分でつぶしてしまうと雑菌が入ったり、傷跡が残ってしまう可能性がありますので必ず皮膚科を受診しましょう。
ニキビは「ざ瘡」と呼ばれ、立派な皮膚疾患です。放置してしまうと重症化し、クレーターや赤みが残ってしまうこともあります。どんな皮膚疾患にも言えますが、早期治療が何よりも大切です!!どんな些細なことでもお早めにご相談ください(#^^#)
ニキビの原因「皮脂の分泌」とは
今までニキビの原因や種類についてご説明しましたが、原因のひとつでもある皮脂の過剰分泌はなぜおきてしまうのかを今回はお伝えします。
〇ホルモンバランスの乱れ〇
皮脂分泌が増えるのは男性ホルモンの影響が大きいです。第二次成長期は男性ホルモンが急激に増えるため、皮脂分泌が活発になります。ストレスや睡眠不足も続くと男性ホルモンの分泌を促す作用があるため、ホルモンバランスの乱れにつながります。
〇バランスの悪い食事〇
動物性脂肪、糖質の取りすぎやビタミン類の不足は皮脂や男性ホルモンを過剰に分泌するなど様々な影響があります。
脂性だから…と洗顔をよくされる方や、オイリー肌用のスキンケアを使われる方は多いです。ですが生活習慣の見直しで改善する可能性もありますので、諦めず出来ることから始めてみましょう(^^)